環境配慮で選ぶクレンジングバーム:初心者向け選び方と実際の使用感
サステナブルなクレンジングバームとは?
毎日のメイク落としに欠かせないクレンジングアイテム。近年、様々な種類が登場していますが、中でも固形から肌の上でとろけるように変化する「クレンジングバーム」は、その使用感から人気を集めています。
サステナブルな視点で見ると、クレンジングバームはいくつかの利点を持つ可能性があります。例えば、水分を少なく含む固形であるため、液体の製品と比較して輸送時のエネルギー消費を抑えられる場合があります。また、製品によっては環境に配慮した成分を使用したり、パッケージを工夫したりしています。
この記事では、サステナブルなクレンジングバームを選ぶ際に注目したい環境配慮のポイントと、初心者の方がどのように選べば良いか、そして気になる実際の使用感についてご紹介します。
クレンジングバーム選びにおける環境配慮のポイント
サステナブルなクレンジングバームを選ぶ際に、どのような点に注目すれば良いのでしょうか。主なポイントをいくつかご紹介します。
1. 成分への配慮
サステナブルなコスメを選ぶ上で、含まれる成分は重要な要素の一つです。 * マイクロプラスチック不使用: 洗浄成分などにスクラブとして含まれるマイクロプラスチックは、下水を経て海に流れ出し、海洋環境に悪影響を与えることが懸念されています。これが使用されていない製品を選ぶことが、海の汚染を防ぐ一歩となります。 * 天然由来成分の活用: 植物性のオイルやエキスなど、再生可能な資源である天然由来成分を積極的に使用している製品もあります。これは、石油由来成分の使用を減らし、地球の資源を守ることに繋がります。ただし、天然由来成分であっても、その栽培過程や収穫方法が環境に配慮されているか(例:オーガニック栽培、フェアトレードなど)も考慮すべき点です。 * 特定のケミカル成分の不使用: 製品によっては、パラベン、シリコン、合成香料、合成着色料など、特定の化学成分を使用しないことを謳っています。これらは成分そのものの環境負荷や製造過程での環境負荷を低減する意図があったり、特定の消費者の倫理的な懸念に応えたりするものです。 * ヴィーガン処方: 動物由来の成分を一切使用せず、動物実験も行わない製品です。これは倫理的な観点に加え、畜産業が環境に与える負荷(温室効果ガス排出、土地利用など)を考慮する視点とも繋がります。
2. パッケージへの配慮
製品を包むパッケージも、環境負荷を考える上で見過ごせないポイントです。 * プラスチック削減: 過剰な包装を避けたり、プラスチック使用量を減らしたりする取り組みです。軽量化は輸送時のCO2排出削減にも繋がります。 * リサイクル可能な素材: リサイクルしやすい素材(例:特定の種類のプラスチック、ガラス、FSC認証紙など)を使用しているかどうかも確認したい点です。自治体のルールに従って適切に分別することで、資源の再利用に繋がります。 * 再生プラスチックやバイオプラスチックの使用: 廃棄されたプラスチックを再利用したり、植物由来の素材から作られたプラスチックを使用したりすることで、新たな石油資源の消費を抑制します。 * 詰め替え対応: 容器を繰り返し使用できる詰め替え用製品を提供しているブランドもあります。これは容器の製造・廃棄にかかる環境負荷を大幅に減らす効果が期待できます。
3. 製造過程や企業姿勢
製品そのものだけでなく、製品が作られる過程や企業の全体的な姿勢もサステナビリティに関わってきます。 * 動物実験の有無: 動物実験を行わない方針のブランドを選ぶことは、倫理的な観点から重要視されています。 * 製造時の環境負荷低減: 製造工程での省エネルギー、節水、廃棄物削減に取り組んでいる企業もあります。 * フェアトレード原料の使用: 製品に使用される原料の生産者が適正な労働条件と対価を得られるよう配慮された原料を選ぶことは、社会的なサステナビリティに繋がります。
初心者向けサステナブルクレンジングバームの選び方
サステナブルなポイントは多岐にわたるため、何から見れば良いか迷うかもしれません。初心者の方は、まずは以下の点を参考にしてみてはいかがでしょうか。
- まずは一つのポイントから見てみる: 成分やパッケージなど、自分が特に気になる環境配慮のポイントを一つ決めて、それに合致する製品を探してみるのがおすすめです。「マイクロプラスチック不使用」や「詰め替え用があるか」など、分かりやすい点から始めてみましょう。
- 信頼できる情報を参照する: 製品パッケージの表示、ブランドの公式サイト、環境認証マークなどを確認します。公式サイトには、製品や企業のサステナビリティに関する詳しい情報が掲載されていることが多いです。
- レビューや口コミを参考にする: 実際に使用した人のレビューや口コミは、使用感や特定の環境配慮に関する言及がある場合があり、参考になります。
- トライしやすい価格帯から: 最初から高価な製品に挑戦する必要はありません。ドラッグストアなどで手軽に購入できる価格帯の製品や、ミニサイズ、トライアルセットから試してみるのも良いでしょう。近年は手頃な価格帯でも環境配慮に取り組むブランドが増えています。
サステナブルクレンジングバームの実際の使用感
環境に配慮されていることは大切ですが、クレンジングとしての本来の機能、つまり「使用感」も気になるところです。サステナブルなクレンジングバームは、一般的に以下のような使用感が期待できます。
- メイク落ち: 肌の上でオイル状に変化し、メイクとしっかり馴染むことで、ファンデーションはもちろん、アイメイクやリップなども比較的スムーズに落とせる製品が多いです。ただし、ウォータープルーフのマスカラなどは、別途ポイントメイクリムーバーを併用する必要がある場合もあります。
- 肌への負担: オイルに比べて肌への摩擦が少なく、優しくメイクを落とせる感触を得やすいです。また、サステナブルな製品に多い天然由来の保湿成分などが配合されている場合、洗い上がりにつっぱりにくい、しっとりとした感触になることがあります。
- テクスチャーと香り: 固形からとろける変化はユニークな使用感をもたらします。製品によっては、合成香料ではなくエッセンシャルオイルなど天然の香料を使用しており、心地よい自然な香りが広がるものもあります。
- 洗い流しやすさ: 製品によって異なりますが、乳化(水と混ざり白くなること)がスムーズで、比較的簡単に洗い流せる製品が多い傾向にあります。ただし、肌にヌルつきが残るように感じる製品も稀にありますので、成分やレビューを参考に選ぶと良いでしょう。
サステナブルクレンジングバームの良い点・注意点
良い点
- 環境負荷の低減に貢献できる: 成分やパッケージの選択を通じて、マイクロプラスチック削減やプラスチックごみ削減などに繋がります。
- 肌に優しい傾向: 特定の添加物を使用しない、天然由来成分を配合するなど、肌への刺激が少ないよう配慮された製品が多い傾向にあります。
- 使用感の満足度: メイク落ちと肌への優しさを両立している製品が多く、心地よいテクスチャーや香りを楽しめる製品もあります。
- 持ち運びやすさ: 固形のため、液漏れの心配が少なく、旅行などに携帯しやすいです。
注意点
- 価格帯: 環境配慮にコストがかかる場合があり、一般的なクレンジングに比べて価格が高めになる製品も存在します。
- ジャータイプの衛生面: 多くの製品がジャータイプ容器に入っているため、スパチュラを使用するなど、衛生面に注意が必要です。
- 肌との相性: 天然由来成分でも特定の植物エキスなどが肌に合わない可能性はあります。初めて使用する際はパッチテストを行うなど慎重に試すことをおすすめします。
- 完全なゼロウェイストは難しい場合も: パッケージレスの固形ソープなどと比較すると、ジャー容器などが必要になるため、完全に廃棄物ゼロを目指すのは難しい場合があります。
まとめ
サステナブルなクレンジングバーム選びは、環境配慮と実際の使い心地のバランスを見つけるプロセスです。成分、パッケージ、企業の取り組みといった環境配慮のポイントを知ることで、より意識的に製品を選ぶことができるようになります。
初心者の方は、まずはマイクロプラスチック不使用やリサイクルしやすいパッケージなど、分かりやすい点から注目してみてはいかがでしょうか。そして、製品のレビューや情報を参考にしながら、ご自身の肌に合い、メイクもしっかり落とせる、心地よい使用感のバームを見つけていただければと思います。
環境に優しい選択をすることは、決して難しいことではありません。日々のコスメ選びに少しの視点を加えるだけで、地球への想いを形にすることができます。