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サステナブルコスメの成分って何?環境に優しい成分の見分け方

Tags: サステナブルコスメ, 成分, 環境配慮, 初心者, 選び方

サステナブルコスメ選びで気になる「成分」の話

サステナブルコスメに興味を持ち始めたけれど、いざ製品を選ぼうとすると、成分表示を見て「何が違うんだろう?」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

サステナブルコスメでは、製品の成分も環境への配慮を考える上で大切な要素の一つです。しかし、成分の名前は難しく、どれが環境に優しくて、どれがそうでないのか、一見しただけでは分かりにくいものです。

この記事では、サステナブルコスメを選ぶ際に知っておきたい、成分に関する基本的な考え方や、いくつか例を挙げながら「環境に優しい」とされる成分の見分け方について、分かりやすく解説します。

なぜコスメの成分が環境配慮に関わるのか

私たちが使うコスメの成分は、様々な場所で環境に影響を与えています。

このように、コスメの成分を選ぶことは、肌への影響だけでなく、私たちが暮らす地球環境への影響を考慮することにもつながるのです。

知っておきたい「環境に配慮した成分」の例

すべての成分を網羅的に理解するのは難しいですが、サステナブルな視点から特に注目されることの多い成分や原料の考え方について、いくつか例を挙げてご紹介します。

自然由来成分(ただし「持続可能性」が重要)

植物や鉱物など、天然由来の成分は一見環境に優しいと思われがちです。しかし、単に「自然由来」というだけでなく、その原料がどのように育てられ、採取されたのか、つまり「持続可能(サステナブル)」な方法で得られているかが重要です。

例えば、過剰な森林伐採につながらないように計画的に管理された森林から得られる成分や、農薬や化学肥料の使用を極力抑えて栽培された植物から抽出される成分などがこれにあたります。認証マークなどが取得されている場合もあります。

アップサイクル原料

本来であれば廃棄されてしまうような農産物の副産物(例:果物の搾りかす、コーヒーの出涸らしなど)を再利用して作られる成分です。廃棄物を減らすことにつながるため、環境負荷の低減に貢献します。

生分解性の高い成分

使用後、排水として流れた際に、微生物の働きなどによって自然環境で速やかに分解されやすい性質を持つ成分です。河川や海洋への成分の蓄積を抑えることにつながります。石鹸成分などが比較的生分解性が高いと言われています。

フェアトレード原料

開発途上国の原料生産者から、適正な価格で購入された原料です。これは成分そのものの環境負荷というよりは、原料を生産する過程における人権や労働環境、そして持続可能な農業の実践などを支援する観点からの「サステナビリティ」です。間接的に、地域社会の持続可能性や、環境負荷の少ない農業方法の普及にもつながります。

避けるべき「環境負荷が懸念される成分」の例

すべての合成成分が環境に悪いわけではありませんが、特に海洋環境への影響などが懸念されている成分も存在します。ここでは、比較的知られているものをいくつかご紹介します。

マイクロプラスチック

非常に小さなプラスチック粒子(通常5mm以下)で、洗顔料のスクラブ剤や、メイク製品の質感調整剤として使用されることがあります。排水として海に流れ出ると回収が難しく、海洋生物が誤って摂取してしまうなど、生態系への深刻な影響が懸念されています。最近では、マイクロプラスチックを使用しない製品が増えています。

サンゴ礁に有害とされる紫外線吸収剤の一部

日焼け止めに含まれる特定の紫外線吸収剤(例:オキシベンゾン、オクチノキサートなど)が、サンゴ礁の白化を招く可能性があるとして、一部の地域(例:ハワイ、パラオ)で使用が規制されています。海辺で日焼け止めを使用する際には、これらの成分を含まない「リーフセーフ(サンゴに優しい)」とされる製品を選ぶという選択肢もあります。

特定の合成ポリマー

洗い流すタイプの製品に含まれる合成ポリマーの中には、自然環境で分解されにくく、水中に長期間残留して負荷を与える可能性が指摘されているものがあります。全てを避けるのは難しいですが、製品によっては環境負荷の低い代替成分を使用しているものもあります。

成分表を読み解くためのヒント

成分について学び始めると、「全ての成分を覚えなければいけないの?」と思ってしまうかもしれませんが、そのような必要はありません。まずは、気になる製品の成分表示を見て、いくつかポイントを押さえることから始めてみましょう。

成分は、サステナブルコスメを理解するための一つの入り口です。全てを完璧に把握する必要はありませんが、少しずつ知識を身につけることで、より賢明な選択ができるようになるでしょう。

まとめ

この記事では、サステナブルコスメの成分と環境配慮の関係、そして知っておきたい成分の例についてご紹介しました。

成分は、その原料がどこから来て、どのように作られ、そして使用後にどうなるのか、といった様々な側面で環境に影響を与えています。マイクロプラスチックやサンゴ礁に有害とされる成分など、特に注意したい成分もあれば、自然由来やアップサイクルなど、環境負荷低減に貢献する成分や原料の考え方もあります。

成分表示は少し難しく感じるかもしれませんが、全てを一度に覚えようとせず、まずは気になる製品の成分を一つ、二つ調べてみることから始めてはいかがでしょうか。成分だけでなく、パッケージや製造過程など、様々な情報を合わせて見ることで、その製品がどのくらい環境に配慮されているのかを知るヒントになります。

成分への関心は、サステナブルなコスメ選びをさらに深める一歩となるでしょう。