サステナブルなハンドソープ入門:プラスチック削減、成分、詰め替えの賢い選び方
日々欠かせない手洗い。意識することは少ないかもしれませんが、毎日使うハンドソープだからこそ、製品選びが環境に与える影響は小さくありません。サステナブルな視点を取り入れたハンドソープ選びは、地球への優しさにつながる小さな一歩となります。
環境に配慮したハンドソープには、どのようなものがあるのでしょうか。初心者の方にも分かりやすく、注目すべきポイントと選び方のヒントをご紹介します。
サステナブルなハンドソープとは?注目すべき環境配慮ポイント
サステナブルなハンドソープと一口に言っても、その環境配慮のポイントは様々です。ここでは、特に重要ないくつかの側面を見ていきましょう。
容器(プラスチック削減)
ハンドソープの容器は、使い終わるとすぐに捨てられてしまうことが多いプラスチック製が一般的です。この使い捨てプラスチックが環境問題の一因となっていることは広く知られています。サステナブルなハンドソープは、このプラスチックの使用量を減らす、あるいはより環境負荷の少ない素材を選ぶ工夫がされています。
- リサイクル素材や再生プラスチックの使用: 新たなプラスチックの使用を抑え、廃棄物を有効活用する取り組みです。パッケージに「再生プラスチック使用」といった表記があるか確認してみると良いでしょう。
- リユース可能な容器: ガラスやアルミなど、繰り返し使える素材の容器に入った製品や、スタイリッシュで丈夫な専用容器を用意し、中身だけを詰め替えるタイプの製品があります。
- リフィル(詰め替え)パック: 本体のプラスチック容器を何度も使えるように、中身を補充するための詰め替え用パウチが用意されている製品です。本体容器を捨てる回数を減らし、プラスチック使用量の削減に貢献します。パウチ自体も、以前より薄い素材になったり、リサイクルしやすい素材が使われたりするなど、進化しています。
成分
ハンドソープは毎日使うものなので、成分が環境に与える影響も考慮すべき点です。使用後に排水として環境中に流れ出るため、成分の「生分解性」や特定の環境負荷物質を含まないかどうかが重要になります。
- 生分解性: 使用後の成分が、微生物によって自然界で分解されやすい性質を指します。生分解性が高いほど、河川や海に蓄積するリスクが低減されます。パッケージに「生分解性に優れている」といった記載がある製品もあります。
- 特定の成分不使用: 環境中に長期間残留したり、生態系に悪影響を与えたりする可能性が指摘される成分(例:マイクロプラスチックビーズ、特定の合成界面活性剤)を含まない製品を選ぶことも環境配慮につながります。
- 自然由来・オーガニック成分: 植物由来の成分を使用している製品は多くあります。さらに、それらの植物が持続可能な方法で栽培されていたり、生産者への適切な対価が保証されるフェアトレード原料であったりすることも、環境や社会への配慮と言えます。
形状(固形ハンドソープ)
リキッドタイプの他に、石けんのような固形タイプのハンドソープもサステナブルな選択肢として注目されています。
- パッケージフリーまたは最小限のパッケージ: 固形石けんは、紙箱など最小限の包装で販売されていることが多く、プラスチックパッケージの削減に大きく貢献します。
- 水の削減: 製造過程や製品自体に含まれる水の量がリキッドタイプに比べて少ないため、輸送時のエネルギー消費を抑えることにもつながります。
- 持ち運びやすさ: 旅行や外出先への携帯にも便利です。
初心者でも始めやすいサステナブルなハンドソープの選び方
環境に優しいハンドソープを選びたいけれど、何から始めれば良いか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。初めての方におすすめの選び方のヒントをいくつかご紹介します。
まずは「詰め替え」から始める
現在使っているハンドソープに詰め替え用があるなら、まずはそこから始めてみるのが最も手軽な方法です。本体容器を捨てる頻度が減り、経済的なメリットもあります。対応する本体容器があるか、使い切った後にきれいに洗って乾かせるかなどを確認して、無理なく続けられるものを選びましょう。
ドラッグストアで探す際のヒント
サステナブルな製品は、専門的なお店に行かないと手に入らないと思われがちですが、最近ではドラッグストアなど身近な場所でも見つけられるようになりました。
- パッケージ表示をチェック: パッケージに「再生プラスチック使用」「植物由来ボトル」「生分解性」といった環境配慮に関する記載がないか見てみましょう。環境認証マークが付いている製品もあります。
- 固形石けんコーナーを見る: ハンドソープとして使える固形石けんも、プラスチック削減の観点でおすすめです。
- 価格帯を確認: 学生の方など、予算に限りがある場合は、まず手頃な価格の詰め替え用から試してみるのが良いでしょう。特定のブランドにこだわらず、いくつかの製品を比較検討してみることも大切です。
使用感もチェックする
環境に配慮されているだけでなく、毎日気持ちよく使えることも重要です。泡立ち、洗浄力、洗い上がりの感触(つっぱり感がないかなど)、香りの好みなども考慮して選びましょう。例えば、洗い上がりがさっぱりするものが好きか、しっとりするものが良いか、香りは天然の精油による自然な香りが好きかなど、自分の好みに合う製品を見つけることで、サステナブルな選択を無理なく続けることができます。
まとめ:小さな選択が未来につながる
毎日何気なく使っているハンドソープも、選び方一つで環境への影響を減らすことができます。完璧を目指す必要はありません。まずは「詰め替えから始めてみる」「パッケージの表示を少し意識してみる」「固形タイプを試してみる」など、ご自身ができることから始めてみましょう。
一つ一つの小さな選択が積み重なることで、より持続可能な社会の実現に貢献できます。肌に合うか、使い心地は良いか、価格はどうかといった、これまでの製品選びの基準に「環境配慮」という視点を一つ加えて、自分にも地球にも優しいハンドソープを見つけていただければ幸いです。